日本地震学会が東日本大震災を想定できなかったことを反省2011年10月16日

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地震学のあり方議論 2011年10月16日

静岡市で開かれていた日本地震学会は最終日の15日、同市駿河区の静岡大学で特別シンポジウムを開催。東日本大震災を想定できなかったことを反省し、今後の研究にどう結びつけるかなどを議論した。来年5月までに提言をまとめるという。

シンポジウムには約500人が参加。地震予知に否定的なロバート・ゲラー東京大学教授は「三つのリセットが必要」とし、(1)地震発生の考え方(2)国の地震、津波防災対策(3)研究者の姿勢、を再検討することを呼び掛けた。

ゲラー教授は「実用的な地震予知は絶望的」として、予知の可能性を前提にした大規模地震対策特別措置法の撤廃を求めた。

「東海地震説」を最初に唱えた石橋克彦神戸大学名誉教授は「災害科学としての地震学に大きく欠けているのは、大災害を未然に防ぐ社会を築くための批判精神。地震学が沈黙している限り、社会は真実を知ることができない」と、科学的事実に基づいて国などに発言していく重要性を訴えた。

一方で、「純粋に地震学を研究すべきだ」「防災は専門家に任せるべきだ」などの意見も出た。

若手研究者からは、研究以外の作業に追われ、将来への不安を訴える発言も相次ぎ、人材の先細りへの危機感が指摘された。

阪神大震災から16年が経ち、この間の学会の取り組みを巡る議論もなされた。日本地震学会会長の平原和朗京都大学教授は「あの頃は、地震学が防災に直接役立つという考えはなかった。学会のあり方を、若い人を中心に活発に議論していって欲しい」と話した。

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阪神大震災が発生した1995年以来、16年ぶりに県内で開かれた日本地震学会。多くの研究者にとって、あの時感じた「敗北感」と16年間の研究の意味を自問する大会となった。

そんな研究者が教訓の一つに挙げたのが、「分からないことを分からないと伝えること」だ。従来の理論にとらわれず、思い込みを排し、自然科学に謙虚に向き合おうとしている。

東日本大震災を教訓にした東海地震の発表も相次いだ。マグニチュード(M)8・6とされてきた宝永地震(1707年)はM9を超え、明応東海地震(1498年)は、安政東海地震(1854年)の2~3倍の範囲まで津波が到達した可能性が指摘された。

約2千年前、東海から四国沖で四つが連動した地震が発生した可能性があり、4連動地震が発生すると、県内には5~10分で15メートルの津波が押し寄せる可能性が指摘された。

学会員でもある岩田孝仁・県危機報道監は特別シンポジウムで、「地震学の成果が県の防災対策に生かされている」と研究成果を評価した。今回、学会で発表された新たな成果をどう受け止めるのか。対策の再検討が求められている。(大久保泰)

焼津市長「浜岡原発永久停止すべきだ」2011年10月04日

http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20111004ddlk22040265000c.html

浜岡原発:焼津市長「永久停止を」 9月議会より踏み込む /静岡

焼津市の清水泰市長は3日の定例会見で、運転停止中の中部電力浜岡原発(御前崎市)について、「(東京電力福島第1原発の事故で)原発は人間がコントロールできないものとわかった以上、使うべきではない。永久停止すべきだ」と述べた。

清水市長の発言は、9月に市議会定例会で表明した「再稼働は困難」との認識より踏み込んだもの。先月26日に地元4市の一つである牧之原市議会が「永久停止」を求める決議をしたことに触れ、「地元がこうした結論を出した以上、私も永久停止へ考えを深めた」と説明した。

廃炉ではなく永久停止とした理由は「廃炉に持って行ければいいが、使用済み核燃料を他の場所に移すのは難しく、当面は浜岡で保管せざるを得ないだろう。廃炉は現実的ではない」と語った。懸念される電力不足については「要求した電力をすべてもらえると思ってはだめだ。窮地の今は、利用できる電力の範囲内でやっていくべきだ」と話した。

中電の緊急津波対策については「津波から守るにはやらなければならないことだが、あくまで安心の一つに過ぎない」と指摘した。

同市は原発事故に対応できるよう磐田、袋井、藤枝の3市とともにEPZ(原子力防災対策重点地域)の拡大を国に求めている。「EPZを何キロ圏に拡大するかも含めて、静岡市や島田市などの他の近隣自治体とも意見交換していきたい」と話した。【小玉沙織】

吉田町長「浜岡原発は廃炉にすべきだ」2011年09月29日

http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20110929ddlk22040290000c.html

浜岡原発:「廃炉にすべきだ」 牧之原市の隣、吉田町・田村町長が初表明 /静岡

 ◇「永久停止」決議後、初表明

吉田町の田村典彦町長は28日の定例会見で、政府の要請を受け全面停止中の中部電力浜岡原発(御前崎市)について「廃炉にすべきだ」と述べた。県内では湖西市長や御殿場市長が廃炉に言及しているが、牧之原市議会が26日に「永久停止」を決議して以降、首長が廃炉を求める意向を表明したのは初めて。【小玉沙織】

吉田町は浜岡原発から20キロ圏で牧之原市の東隣にある。田村町長は毎日新聞の取材に、「東京電力福島第1原発の事故で、原発は一度安全が崩れたら歯止めが利かないものだとわかった。浜岡原発で事故が起きれば町民の生命や企業活動に影響を及ぼす可能性が極めて高い」と廃炉を求める理由を述べた。

田村町長によると、福島の事故以降、企業を町内誘致のために訪問すると「浜岡原発は大丈夫なのか」と問われることが増えたという。田村町長は「町内には富士フイルムなど大手企業の生産拠点は多い。企業が原発を不安視して撤退すれば、町民の雇用や生活に直結する。ならば不安材料は取り除くべきだ」と強調した。

隣接する牧之原市が「永久停止」を求めたことについて、「住民の生命や企業の流出を考えたら、再稼働に問題があると考えるのは当然だろう」と評価した。田村町長も町議会に意見の集約を求めているという。

永久停止ではなく廃炉が必要な理由については、「浜岡原発は地震と津波のダブルパンチを受けることが分かっている。立地上、建てるべきではなかった場所だと分かった以上、更地にすべきだ」と語った。

http://mainichi.jp/chubu/news/20110927k0000e040075000c.html

浜岡原発:運転再開 牧之原市長、住民投票実施も視野に

政府の要請で停止中の中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の運転再開を巡り、半径10キロ圏内にある同県牧之原市の西原茂樹市長は27日、記者団に「例えば住民投票を行うなど市民全員の意見を聞いて判断していく」と述べ、住民投票実施も視野に入れて判断する考えを明らかにした。

市議会が26日に「安全が担保されない限り永久停止すべきだ」と決議したことを受け、中部電の水谷良亮・浜岡原子力総合事務所長らが西原市長を訪問。その後の取材に対し、西原市長は「国、県、地元4市の対策協議会の判断が私たちの決議と異なる結論になるなら、命と安全にかかわるので」と前置きして、住民投票に言及した。

水谷所長らとの面談では、中部電側が運転再開に理解を求めたのに対し、西原市長は直下型地震に伴う原発事故の危険性を指摘したという。【西嶋正信】